勝手に奥出雲探求レポート

前へ
一覧へ
次へ

奥出雲 たたらと刀剣館 見学レポート

奥出雲 たたらと刀剣館  見学レポート

こんにちは、奥出雲ごこち事務局ちーやんです。

今回は、「神話とたたらのキャッチフレーズで親しまれている、
「奥出雲 たたらと刀剣館」の見学レポートをお届けします。

 

皆さん、「たたら」ってご存知ですか?
「たたら」とは、鉄を生産する技術のことです。

粘土で造った炉(ろ)に砂鉄と木炭を交互に装入して、吹子(ふいご)で風を送り木炭を燃焼させて砂鉄を溶解・還元して鋼(はがね)を作る日本古来の製鉄技術なんです。
「たたら製鉄」は、現在の製鉄技法と違って、低い温度で精錬するため、非常に純度の高い鋼(はがね)を造ることの出来る製鉄法で火を入れてから三日三晩をかけて操業されるんです。

鉄の硬さは、そのとき含まれる「炭素(たんそ)」の量で違うそうなんですよ。

そして、生産された鉄の塊(かたまり)は鉧(けら)と呼ばれています。
まるで溶岩の固まりのようですよ。

鉧(けら)は「たたら操業」で生み出される鉄と木炭が混ざり合った固まりで、その中心部にあるの「玉鋼(たまはがね)」と呼ばれる純度の高い鋼が含まれていて、これを原料として日本刀などが作られるんです。

この「たたら製鉄」は、中世の頃は全国各地で行われてたようですが
現在では、財団法人日本美術刀剣保存協会が、ここ奥出雲町にある
鳥上木炭銑工場で毎年冬操業されるだけ。

そんな、歴史深い「たたら」の魅力を展示しているのが
安来市、雲南市、奥出雲町の2市1町の共同プロジェクト「鉄の道文化圏」
展示施設の一つ「奥出雲たたらと刀剣館」なんです。

今回は、この「奥出雲たたらと刀剣館」のレポートです。

 

☆『たたら』の語源てなあに?

日本で古くから行われてきた製鉄技術のことを「たたら」と呼んでいます。
この「たたら」はどうして「たたら」とよぶのでしょうか?
語源は諸説色々あるようですが、広く知られているのが
中央アジアで製鉄を最初に手がけたヒッタイト人から
トルコ人に技術が受け継がれたときに、とりわけ製鉄技術に優れた
部族が「タタール」と呼ばれていたそうで
これが語源と言われています。
日本では、720年に完成したといわれる「日本書記」に
「踏鞴(たたら:吹子を指す言葉)」として出てきます。
ということは、「日本書記」が完成するまでに
「たたら」という呼び名があったと考えられます。


☆奥出雲「たたらと刀剣館」

奥出雲町横田の「むらくもの丘」にある「たたらと刀剣館」に車でGO!
国道314号を広島方面に向かい、あの奥出雲バーガーで有名な「キャロットハウス」を通り過ぎた辺りの看板を目印に左折します。
坂道を登りきったところで
「奥出雲 たたらと刀剣」に到着。

早速、入館料を払い、展示コーナーへ

最初に見えてくるのが近世の「たたら操業」を紹介するパネルです。
たたら操業を判りやすく、展示してありますよ。
そして、パネルの下には、「本場」と呼ばれる鍛冶
職人の作業風景をジオラマを使って展示してあって、当時の様子が伺えます。


【写真:左はパネル展示   右は本場を再現したジオラマ】

 

 


そして、メインの「たたら炉」のレプリカ!!
このレプリカは、「たたら炉」の秘密を実物大で展示してあり大迫力です。
一番の特徴は、炉の地下構造を忠実に再現してあることなんですよ。
説明を見ると
たたら製鉄で重要なのは、湿気を防ぐことと保温性を高めることとか。

一番底の部分に排水溝を作り、そこへ地下水が流れ込みやすいように
砂利や荒砂を敷詰めています。
その上に、湿気が上がらないよう
木炭と粘土の層で蓋をするように重ねられています。



そして、炉の真下に「本床(ほんどこ)」と呼ばれる木炭を踏み固めた
床(とこ)と、それを囲むように「小舟」と呼ばれる空洞があります。
この空洞があることによって、保温性が保たれるそうです。
これらの地下約3mの構造があって
ようやく地上の「たたら炉」が造られるんです。

粘土で出来た舟形の「たたら炉」には
吹子から送り込まれる空気の通り道の送風管が取り付けられています。

また、「たらろ炉」の中には、大量の木炭が入れられます。
火が入れられた炉は、少しづつ風が送り込まれ温度を徐々に高めていきます。
充分に温度が上がった頃を見計らって、砂鉄を装入します。
次に燃料となる木炭を入れます。
この作業の繰り返しなんです。

砂鉄を入れたり、木炭を足すタイミングを見計らうのは全て
「村下(むらげ)」の指示で行われます。
「村下(むらげ)」は、いわば「たたら操業」の総監督なんです。
炉の製作から、土の選定、火と温度の加減など
「たたら操業」には欠かせない、経験豊富な者だけに与えられる称号なんです。

三日三晩、砂鉄と木炭を交互に入れる作業が不眠不休で行われると
いよいよ、鉧(けら)出しです。

【写真:左は取出された鉧(けら)右は純度の高い玉鋼(たまはがね)】

舟形の粘土の炉は崩され、重さ2.5~3tに成長した鉧(けら)が取り出されます。
この中から約1tの純度の高い「玉鋼」
取れるそうです。

こうして、造られた玉鋼は、全国の刀匠に配られ、日本刀の原料として使われるそうです。

 

 

さて、いかがでしたか?
今回のレポートは、「たたら操業」の秘密を展示した
「奥出雲 たたらと刀剣館」のレポートでした。
歴史深く、不思議が多い製鉄法の「たたら」
人々の試行錯誤の末に完成した技法が
この奥出雲町で今なお受け継がれているんですよ。
「たたら操業」に至るまでには、今回紹介したもの以外にも
まだまだ沢山の作業があるんです。
砂鉄を採取するための「鉄穴流し(かんなながし)」
木炭を作るための「炭焼き」など様々なんです。
こちらは機会があれば紹介しましょうね!

また、「奥出雲 たたらと刀剣館」では、奥出雲在住の刀匠小林一門による
日本刀作刀鍛錬実演も行われています。
皆さん、この夏休み中に、子供たちと一緒に鉄の歴史に触れて見ませんか。

 

☆スポット情報


●奥出雲たたらと刀剣館
・住所/島根県仁多郡奥出雲町横田1380-1
・TEL/0854-52-2770
・開館時間/午前10:00~午後17:00
・入場料/大人510円 小中学生250円(団体/大人400円 小・中学生200円)
・休館日/月曜日(祝祭日の場合は翌日)
・駐車場/30台(大型バス駐車可)

●日本刀作刀鍛錬実演
・場所/奥出雲 たたらと刀剣館
・実演日/毎月第2日曜日、第4土曜日
・時間/午前10:00~11:30、午後1:00~2:30
・見学料/大人1,220円 小中学生610円(入館料込み)

・・・・・読み込み中です
前へ
一覧へ
次へ

コメント(10)

ニックネーム

6文字まで / 公開されます

メールアドレス

公開されません

メッセージ
顔マーク 顔マーク

好きな画像を1つお選びください。サイト上でご自身のマークとして表示されます

投稿キー
投稿キーを入力
上の数字と同じものを入力してください

安来和歌の極秘   2016-10-12 22:53:36

 さいきんは日立金属さんのSLD-MAGICがピストンピンでぶれーくされているらしいですね。

奥出雲ごこち   2015-12-28 11:53:26

ピストンピン様 コメントありがとうございます。 日立金属さんにとっても、たたらから学ばれることが多いそうですよ。 たたら製鉄法があって特殊鋼が生まれた、だからこそなんでしょうね。

ピストンピン   2015-12-26 22:03:41

日立金属さんもこんなとこまで支援しているのですね。

奥出雲ごこち事務局   2015-09-10 18:29:06

山羊さん コメントありがとうございます。 ①奥出雲の食といえば、「そば」と「仁多米」!! ②鬼の舌震「舌震の”恋”吊橋」と「舌震上橋」の間が変化が富んでいます。宇根駐車場からがよろしいでしょうか。③奥出雲たたらと刀剣館の見学は45分~1時間、鍛錬実演(予約不要、特別料金)は30分~1時間です。スイッチバックは、ぜひ乗車して体験を! 出雲坂根駅と三井野原駅の間、20分程度です。乗車駅まで車でいらっしゃって、降車駅にタクシーを予約することをおすすめします。

山羊   2015-09-09 07:40:13

9月下旬に両親を連れて奥出雲に旅行に行きます。皆さんいろいろ教えて頂きたくメールしました。 ①昼食のおすすめベスト3は? ②鬼の舌震はどこをスタートにすればいいですか? ③たたらと刀剣館、鬼の舌震、スイッチバックを予定ですが、滞在時間はどれぐらいがいいでしょうか? よろしくお願いします

koto   2015-04-26 09:16:52

日本の金属文化。先端産業に使われる伝統の技術。素晴しいな~。スクリュー、航空機に今利用され。日本の太刀は、錆びない、折れない、脆性しない。此れを支える奥出雲の踏鞴製鉄はすごいと感じます。日本人の伝統の継承。自然を破壊を最小限に抑え。自然に寄り添い利用するのが日本(日本溶鉱炉)文化。西洋、アメリカの文化は資源は奪い取るもの?。資源の大切さが理解できるのが日本人。先人の文化遺産をこれからも大切にしてくださいね。定年になったら行ってみたいところが奥出雲と長船町です。では、さようなら。

ごこち事務局   2010-08-04 09:09:52

「M03」さん 早速のコメントありがとうございます♪ 奥出雲に暮らしていらっしゃる「M03」さんもお分かりにならないのですね・・・ふむふむ。正解は・・・・とすぐにお教えしたいところですが、次週の【後編】アップをお楽しみに♪ なんでも、昔は近くの小川で使っていたそうですよ。

MO3   2010-08-04 08:49:58

今日UPされた"はたけ時間"にコメント欄がなかったのでここに投稿させて下さい。 奥出雲産の爺としては昔のことは良く知っているつもりでした。 が、なんと! 最後に紹介された竹で編まれた道具を見て唖然となりました。 早く正解を教えて下さい。

ごこち事務局   2010-07-29 19:42:41

「まっちゃん」さん コメントありがとうございます。奥出雲町へお越し頂きましてありがとうございました。奥出雲町には歴史や自然を体感できる観光スポットも多くありますが、何より「奥出雲町に住む人」が財産です。 私もUターンで奥出雲町に戻ってきて以来、人の温かさに日々感動しています。 玉峰山荘の家族風呂もご利用頂き、ありがとうございます。家族風呂も最高ですが、サンドバスもなかなかのものです♪ こういったコメントを頂くと、改めてこの仕事に携われたことを嬉しく思います。

まっちゃん   2010-07-29 12:08:09

先日、初めて奥出雲へいってきましたよー。その日は「タタラと刀剣館」は工事中のようで車椅子用のスロープが使えない状態でした。営業しているのかどうかも解らなかったので工事をしている方に聞いたら、「やってますよ。階段は皆で車椅子ごと運びますよ。」と言って入る時も出る時も皆さんで車椅子を吊り上げてくださいました。確か車に横田建設と書いてあったと思います。あらためてその節はお世話になりました。玉峰山荘の家族風呂も満足で気持ちの良い宿でした。それと、「鬼の舌震い」のバリアフリー遊歩道も良かったですよ。「奥出雲ごこち」で知るまでは「鬼の舌震い」を見ることは諦めていましたが、おかげで見ることが出来ました。でも私は電動だったから楽でしたが、手押しの車椅子だと少しハードかな?